笑顔の種まき姉さんが「幸せ」について考えること

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あきえってぃさん

やっぱりなんの仕事をしても、笑顔って根本にある。特に福祉の現場で感じるのは、自分たちよりは余生の短い利用者の方々の口から、「頭がもうばかになっちゃっててそのうち死んじゃうんじゃないかな」とか「早く死にたいよ」とか、ネガティブな言葉を聞くことが少なくないんです。でも、そこに一緒になってネガティブワールドの中に沈んでいくのではなくて、ネガティブな気持ちを汲み取って一緒に感じた上で、笑顔の空間を作り出して共有するということがすごく大事だと思うんです。

よく笑う人って寿命が長いって言われてますが、まさにそうなんです。今いる施設では、わたしが笑顔の時間をたくさん設けて、一人ひとりと一緒に生きることの喜びを(認知症だからみんな忘れちゃうんですけど)、一秒でも長く共有できたらなと思っています。

 

カメラも介護も生身の人と向き合う仕事。笑顔があればなんでもできそうですね。お話を聞いていて、あきえってぃさんの思いのベクトルはいつも他者の人生に向かっているなと感じたのですが、それはなぜだと思いますか?

あきえってぃさん

最近、小学校の卒業文集を読み返すことがあったんですが、そこに「人の役に立つ仕事がしたい」って書いてあったんです。わたし、3個下の妹と5個下の弟がいるんです。歳が離れているので、第二のお母さんじゃないですけど、ちっちゃいときからよく面倒を見ていて、おむつ交換とかもやっていました。「誰かのために何かをする」っていう考え方が、自然とわたしのなかに形成されていたのかなと思います。

それは母親のおかげでもあって。結構厳しい母親だったので、当時は「お姉ちゃんなんだから何々しなさい」って我慢を強いられたことも多くて、それが原因でいろいろ悩んだこともありました。自分の意思を言えないとか思いを伝えたいけど伝えられない、感情を押し殺しちゃうとか…。でも今となっては、その時期があったから今こうやって人のために何かをしたいという原動力がこみ上げてくるのかなと。それを今は母に感謝していますね。あ、家族、結びついちゃいましたね!

無理やり言わせちゃった感ないですかね?(笑)

あきえってぃさん

いやいや、すごい自然に出てきましたよ!(笑)

それならよかったです! では、あきえってぃさんが今の活動の先に思い描くものは何ですか?

 あきえってぃさん

実は先月結婚しまして。

 

おめでとうございます!!!!

 あきえってぃさん

2月22日に結婚したんですけど、旦那と一緒にやりたいことがたくさんあるんです。日本一周とか世界一周とか、古民家でカフェをやろう、ゲストハウスをやろうとか。彼の昔からの夢で、「お金のいらない村づくりをしたい」っていうのがあったり。いろいろ合うんですね、わたしと彼のやりたいことが。そのなかでも今ちょっと動き出していて、これから本腰入れて極めていきたいなと思っているのが、「食」。またそれも笑顔と家族と結びついているんです。

食、ですか?

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あきえってぃさん

今日、気づいてしまったことがあるんです。まだまとまりきっていないんですけれど。わたしが食に興味を持ち始めたのが去年の夏以降だったんですね。わたしは食で何をしたいんだろうとか、どうしてわたしは食に興味をもったんだろうとか、なんでこんなに思いを強く持っているんだろうってことをずーっと考えていたんですけどわからなくて。でも、食と家庭と笑顔は全部結びついているなっていうのは薄々感じていたんですね。

まずわたし自身がすごく食べるのが好きで。美味しいものを食べるとやっぱりみんな笑顔になるじゃないですか。一人じゃなくて、誰かとその時間を共有することで笑顔も生まれるし、幸福感に溢れるし、空間が幸せになる。日本って先進国のなかで一番自殺者が多い国なのですが、人の心の平和や充実度が足りていないことがとても深刻な要因だと思っているんです。体が健康であっても心が健康でなければ、精神を病んでしまったり、自殺に追い込まれてしまったりする。だから、心の健康、心の平和が一番大事だなと思うのです。笑顔を通して、人の心に平和を与えたい。これは、今もこれからもずっと持ち続けるビジョンなんですけど、そのためには健康が大事。

健康の「コウ」を「幸」って書き換えるんです。「健幸」。心と体の両方が満ち足りていないといけないんです。わたしはいままでずっと笑顔をテーマにしてきたけれど、でも笑顔だけじゃ物足りないなって気持ちもあって。笑顔の本当の根源って、食だったんですよ。食が健康を作るから、笑顔になる。

生きることは食べること。食べないと栄養も取れないから。食べることによって生命維持している。それが健康につながっている。

どうして人って笑うのかなって考えると、楽しいからとか、ワクワクするからとか、いいことがあったからとかあるけれど、究極的には人って健康じゃないと笑えないということに行き着いた。それも、心と体が「健幸」でないと笑えない。だから、わたし自身の笑顔を武器に心の健康を与えることと同時に、食で体の健康を叶えたい。その二つが同時にできるのが「食卓」なんですよ。

体に安心で安全な食材を使って、楽しく料理をして、美味しいものを提供して、一緒に食べて、おいしいねっていいあう空間。これがあれば、心も体も平和だなって思って。そういう空間作りをこれからしていきたいなって思っています。

すごい、それって、今空前のブームがきている「子ども食堂」の考え方にすごく近いですね! とても共感します。どんな人を対象にする予定なんですか?

あきえってぃさん

家族、友達、親戚、パートナー、知らない人、友達の子ども、外国人…要するに誰でもです。どんな人が来てもウェルカムで、いろんな仕事や活動をしている人、いろんな思いや悩みを持っている人、そういう人たちがつながることによって輪っかになって、テーブルを囲んで同じものを食べることによって、なにかケミストリーが生まれるかもしれない。笑顔を共有して、こういうことをやりたいんですって思いを持った人にたまたま話したら「あ、こういうこと手伝えるかも!」と点が線になるようなイメージ。

 

 

 

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すごくワクワクしますね!

 あきえってぃさん

いわゆるホームパーティのような形で、「HAPPY SEED」っていう名前で月に1回、我が家で開こうと思っています。私たち夫婦は「笑顔の種まき姉さん」と「キッカケの種まき兄さん」、二人合わせて「しあわせの種まき夫婦」を自称しているのですが、二人でいるだけでしあわせの種まきしてるよねっていうくらいベストなパートナーなんですね。その幸せをわたしたち二人だけにとどめておくわけにはいかない。だったらもっと共有しよう、ということで、「HAPPY SEED」をしようと思っているんです。彼の人脈はとても豊かなので、本当に多様な人たちが集まってそういう場がすぐ作れる環境にあるので、実現していくだろうなという確信をもっています。なので、ぜひぜひいらしてください!

パートナーはどんな方なんですか?

あきえってぃさん

彼もずっと笑ってるんですよ。とにかく笑顔がとっても素敵で。彼の夢の根本にある思いが、「誰もが自分らしく生きる社会を作る」というもの。そのためにはまず自分が自分らしくあるべきだと考えて実践している。「自分らしく生きたい、だけど怖い」という人はいっぱいいると思います。そういう人たちに、その一歩踏み出す勇気を与えたい。やりたいことがたくさんあって、なんでもできる可能性に溢れているから、とにかくすごい幸せな夫婦なのです(照)

 

これからどんな家族をつくっていきたいですか?

あきえってぃさん

たぶん、わたしたちは子どもができるぐらいから田舎暮らしを始めると思うんですね。自給自足をして自然と一体化するというか、「地球と一緒に暮らしているんだ」ということを実感しながら子どもと接していたい。今自分たちはここに存在しているけれど、それって親が産んでくれて、育ててくれる周りの環境があったからこそ。そして究極的には、「地球が存在しているから」なんですよね。だから、地球への感謝を毎日大切にするような家庭をつくりたいな。本当に物事の本質をみて、地球を感じながら毎日を生きていたい。

原点回帰ですね。先ほど言っていた「お金に頼らない暮らし」というのもそうですね。

あきえってぃさん

お金がなくても回っている社会は、地球上にすでに存在している。そういう村が増えていけば、少しずつ地球上からお金が必要なくなっていく。みんなが本当の意味で平等になる。もちろん途方もなく時間がかかることだろうけれど、いつか本当に愛の溢れる地球になって欲しいなって思うんです。その最初の小さなきっかけをつくっていきたい。ちっちゃな種を蒔いていきたい。

しあわせの種まき夫婦ですね! では最後に、色紙に思いを綴っていただけますか?


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あきえってぃさんのストーリーは、きょうだいや母親、友人という、大切な他者とのつながりのなかで展開していく。だからこそ、彼女の思いも常に他者に向かっていくのかもしれません。本質的な「幸せ」へのしあわせの種まき夫婦の挑戦、今後がとっても楽しみです!

あきえってぃさん、ありがとうございました。

 

撮影:今橋佑介

 

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