放課後格差を是正する −学童保育の挑戦

―これから、CFAでどんなことを実現されたいですか?

 

2つあります。

1つは、こどもがいろんな人との関わりのなかで成長していけるような、放課後のモデルを作ること。もう1つは、それを誰でも利用できるようにすること。

前者はある程度成功していて、それを保護者が評価してくれて人が集まっています。でも、後者はまだ道半ばで、最も必要としている人に十分に届いているとは言えません。

 

ー利用者の方は、どうやってCFAにたどり着くんですか。

 

そこが今すごく課題になっています。今、ものすごく応募が多いんです。Webサイトに募集を出す前に、すでに枠が埋まっちゃっている。情報感度の高い人が応募してるんですよ。CFAは「保護者のためじゃなく、こどものためです」と公言しているのに、それでも応募してくれるのは、ものすごくこどものことを考えている、考えられる家庭だから。

ところが、僕らが今アプローチしたいと考えているのは逆の家庭なんです。むしろ、放課後への関心があまりない家庭にこそ利用してもらいたい。自分で調べたり、動いたりができない家庭にいかに届けるか、これが課題です。

 

ー「誰でも利用できる」状態を理想と考えると、反対側もありますよね。つまり、たとえば専業主婦家庭で、このサービスを緊急に必要としているわけではないけれど、CFAのような環境でこどもを育てたいというような。そういうところにも広げていく可能性はありますか?

 

僕が育った家族も、夜逃げするまでは、世間から見ればごくごく普通の家だったはずです。家族の課題はお金の有無だけではないでしょうし、そういう意味でも誰でも利用できる形にしたいと思っています。

 

ーCFAに通うこどもたちのなかにも多様性が生まれて、いろんな世界に触れられますよね。

 

お互いに、いろいろな子がいることを知っているというのは非常に大事。1、2年生くらいだと、家庭のバックグラウンドの違いをよく理解せずに自然に関係性を築いていきます。その上で高学年になって違いを知ったときに、関係が断絶されずにコミュニケーションが存在することは、お互いにとってすごくいいことですよね。

 

ーフィルターができてから付き合うより、その前から当たり前に接していて、「あ、そうなんだ」と受け入れられるのはいいですね。

 

例えば厳しい状況にあったとしても、周りにいろいろな大人がいて、いろいろな人生があることを分かっていれば、非行などに走らないかもしれない。あるいは、非行に走ったとしても、その後にちゃんと仕事を持って家族を持ってという人もいっぱいいるわけじゃないですか。「別にいいじゃん、良い高校行けなくても」と言ってくれるような人が身近にいれば、それだけで人生が変わるかもしれない。

 

ーそれを親だけが担うには限界がありますよね。

 

そういう意味でも、社会で育てることは必要なんだと思います。いろいろな人が関わることでこどもの見える世界が広がるし、八方塞がりになる前に新しい道に気づくことができるわけですから。

 

ー教室が8つに増えるこれからが正念場ですね。

 

来年度8校になったら、3グループぐらいに分けて、ぞれぞれでプログラムを組んでもらおうと考えています。でも、そうすると、プログラムが今の3倍必要になります。

だから、来年度は結構肝だと思っています。

今までは完全に僕の目の届く範囲でした。ひとりひとりのこどものことも保護者のことも知っているし、保護者も僕のことを知っているという状況でやってきたんです。それが8校で300人にもなると、全体を把握することが今より相当難しくなると思います。

 

ー新たな段階に直面していますね。

 

そうですね。でも、先生たちもどんどん成長していて任せられる部分が大きくなっているので、今まで培ってきたものを基礎にして、次のステップに行きたいです。

 

ー楽しみですね!

 

はい、来年度はやりたいことがいっぱいあるので。

 

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撮影:しんさん

 

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