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おうち、てらす

VOL.6 『ルポ 児童相談所』を読んで

 

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話題の本を読みました。

NPO法人Living in Peace代表である慎泰俊氏の『ルポ 児童相談所: 一時保護所から考える子ども支援』

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Amazonの紹介文曰く、

児童相談所併設の一時保護所は、虐待を受けた子どもや家庭内で問題を起こした子どもらが一時的に保護される施設。経験者の声は「あそこは地獄」、「安心できた」と二つに分かれる。社会起業家である著者自ら一〇カ所の一時保護所を訪問、二つに住み込み、子供たち、親、職員ら一〇〇人以上のインタビューを実施。一時保護所の現状と課題点を浮かび上がらせ、どのように改善したらよいのか、一方的でない解決の方向性を探る。

児童相談所や一時保護所というと、情報の機密性が高くて閉鎖的な印象が強かったので、一つや二つでもなく数多の一時保護所を訪ねて、さらには住み込みまでして書き上げた本と聞いて驚きました。

これは読まなくてはいけない。謎の義務感にかられて、一晩で読みました。

 

恥ずかしながら、本のなかで拡充を提案されていた「一時保護委託」というものを知りませんでした。

行政によって家庭から保護された子どもたちは措置が決まるまでの間、一時保護所に身を置きます。それを、たとえば児童養護施設や里親などに代わりに引き受けてもらうというのが、この「一時保護委託」。

子どもたちの集団をなんとかトラブルなく管理しようするがために抑圧的な環境になってしまっている、というのが一時保護所の課題であるならば、子どもを「管理」するのではなく「養育」することを前提とした環境にその負担を分散させることはとても合理的。

それが、子どものみならず、子どもを預ける側の家族の精神的なダメージの軽減にもなります。
「子どもが一時保護所に連れて行かれた」のと、「里親の○○さんの家に預かってもらっている」のとでは、受ける印象も違うというものです。

 

子どもを育てるのは、親だけじゃない。家族だけじゃない。
しんどければ、他の人に変わってもらえばいい。
それを寛容できる社会と家族を育んでいきたいと、改めて強く思うのです。

本のなかで取り上げられていた釜ヶ崎の「こどもの里」は、先日映画『さとにきたらええやん』でも観ましたが、地域のなかに「いざというとき頼っていい場所」がこんなふうに存在している安心感が、社会で子どもを育てるという意識を作っていくのでしょう。

 

「児童相談所一極集中」の是正と同時に、「家庭一極集中」の是正も進めていくことが今、まさに求められているんじゃないかと思っています。

 

 

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